文化庁の「日本遺産と旅行に関する意識調査」によると、日本遺産を「知っている」と答えたのは3割以下で、あまり知られていない現状が明らかになった。ただ、興味を示す人は多く、情報発信の仕方が課題といえる。
調査は、首都、関西両圏の18~69歳の男女千人を対象に、4月に実施した。
日本遺産について「知っていて、実際に訪れたことがある」「知ってはいるが訪れたことはない」を合わせると29.4%だった。認知度不足は否めない一方、「興味がある」は82.6%に上った。「よく分からないけど何となく興味があるという人が多いようだ」と同庁。
日本遺産に感じる価値は何かを聞いたところ、「旅行先・訪問先としての候補が増える」が47.8%ともっとも多く、次いで「日本の良さや日本人としての誇りを再認識できる」(41.6%)、「地元や故郷を大切にしたいという気持ちが強まる」(30.4%)が続く。
旅行先の候補としての価値だけでなく、日本遺産が地元住民の誇りやアイデンティティー形成につながる可能性を示す結果となった。
旅行先で巡りたい観光スポットは「美しい景観や自然」(70.4%)、「歴史的建造物や文化財」(57.3%)、観光スポットを選ぶ際に重視するのは「アクセスの良さ」(47.0%)、「歴史的なエピソードや逸話があるかどうか」(39.3%)が上位に挙げられた。